162回直木賞(2019年下半期)受賞作 川越宗一著「 熱源」
直木賞を受賞され、本屋大賞にもノミネートされていたので読んでみました。
故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。
BOOKデータベースより
あまり題材になることがないアイヌの物語。
よく知らないアイヌの歴史や、厳しい北の大地での生活が見てきたように書かれていて興味深いです。
が! 何故かすごく読みにくいです。
スイスイと、ページが進む作品も多い中、この作品は、説明文が多いせいか、登場人物に魅力を感じないせいか物語に入り込めず…
一番気になったのは、登場人物に命を吹き込む「セリフ」に魅力を感じない事。
登場人物たちが、頭の中で生き生きと動かないのです。
そして・・・主人公のヤヨマネクフは、村でも評判の美しい娘・キサラスイと結婚するのですが…
あまり、心の交流が描かれないままに結婚。
そして 結婚して 漁に出て戻ってきたら あかちゃんが生まれていました。
結婚から、子供の誕生まで、たったの5行。
漁に出てからのことは一切言及しないままに いきなりでびっくりした。
ロシアの兵士の話にはいった所でギブアップ。
全体の5分の2ぐらい読んで もうパスすることにしました。
意欲作なのかも知れないけど
ご一新の後、明治に入り近代日本は北の大地を開拓していきました。
先住民のアイヌを同化することで 明治政府は領土を広げていき、アイヌは土地を失い、伝統と文化も失ってしまいました。
独特の文化が消失してしまったのはとても残念に思います。
昨年、アイヌを先住民と認める「アイヌ新法」が成立したのと、この作品が世に出たのと同じ時期だけに、著者は、この動きを知って 書くことを思いつかれたのかも知れません。
後半、読んでないのでわかりませんが、同じように言葉を奪われたポーランド人も登場するとか。
ラスト辺りで 土地や文化・風習をを奪われた人たちのアイデンティティに対する熱い思いとかが描かれているのか、それはわかりませんが 道半ばで断念。図書館に返却しました。
直木賞受賞作で、途中で放り出した作品は、他にもあります ^^;
東山彰良著 流
3分の2ぐらい読んだのですが 返却日になったので返しました。
台湾のこと詳しく書かれているな、と思ったら、著者は台湾のご出身だそうで、納得しました。
ただ、バイオレンスシーンが多く、ちょっと読むのが辛かったです。
直木賞受賞作、読んだけど感想書いてないのは
三浦しをん まほろ駅前多田便利軒
東野圭吾 容疑者Xの献身
まほろ駅前…は近日中にUPする予定です。