本屋大賞2018 第3位
今村昌弘著「屍人荘の殺人」を読みました。
本屋大賞受賞作を読むのが好きです。
書店員が売りたい本なのですから 間違いないでしょう、ということで興味のある本屋大賞ノミネート作品は結構読んでます。
この「屍人荘の殺人」は本屋大賞第3位だけに収まらず、
*「このミステリーがすごい!」
*「本格ミステリ・ベスト10」
*「週刊文春ミステリーベスト10」
でも1位を獲得したという 話題の作品です。
この所、心温まる物語ばかり読んでいるので 久しぶりのミステリー作品でした。
謎解きの面白さに引き込まれ 軽快な筆致に読まされて
1日で読了♪
ネタバレあります、ご注意ください!
クローズドサークル 本著の中でも「天候や道路の遮断で事件現場から出られなくなるのはミステリでよくある展開なんですよ」というセリフを主人公の俺 神紅大学 ミステリ愛好会の葉村に語らせています。
別荘につながるたった一つの道路や吊橋が断たれたり、大雪で閉じ込められたりして生じる密室状態がクローズドサークルなんですね~
本書も、その密室状態の中で 連続殺人が発生。 仲間の誰かが犯人 …ていうのが 一番気持ち悪い状態です。しかも密室状態。
自分が疑われるかも知れない、という恐怖。
自分が狙われるかも知れない、という恐怖。
仲間に対して疑心暗鬼になる、という状態が恐ろしいです。
緊張感が支配するので ソファで読んでいる途中に横に置いたスマホの着信バイブに飛び上がりそうに驚いてしまいました。
脅迫状めいたものが届いていたので 誰が殺されるのかは察しがついていましたが 動機は多分アレ、というのもわかってはいても誰が犯人なのかわからず ページを繰る手が止まらない~~~!
まさかの「アレ」が押し寄せる
ネタバレ注意
冒頭に「斑目機関」なる組織に関する報告書が記されています。
斑目機関は、特殊な研究を行う私設研究所。今、警察に押さえられようとしていました。
その研究所の最後の研究が「人間をゾンビに変える菌」の製造。
それでパンデミックを起こして自分たちの成果を見せつける。
研究者 浜坂准教授とその仲間は、山中で行われるロックフェスティバルの会場でロックに熱狂する不特定多数の人間に菌を付けた注射器でチクッとして 菌をばらまきました。 数時間後、ゾンビになった人たちが 葉村たちが合宿に泊まり込んでいるペンションに押しかけて来て…クローズドサークルが生まれます。
ゾンビとの攻防 仲間内で起きる殺人事件、常に追われてるようなドキドキの心理状態で読み進みました、
本書は、クローズドサークルとしてとても面白いし、探偵少女と呼ばれている神紅大学の剣崎比留子の論理的謎解きも読まされました。
が、ホラー好きな方には面白いのかも知れませんが 「ゾンビ」という特殊な存在が 普通の推理小説と違う独特の作品となっていて 私にはちょっと馴染みにくい作品でした。
屍人荘、ってすごい名前のペンションだなって思ってたら、本当は「紫湛荘」って名前らしいです ^^;