2018年6月17日に、新聞広告に出ていて 面白そうだなと思った 世界をまどわせた地図
NATIONAL GEOGRAPHIC社 刊 エドワード・ブルック=ヒッチング 著 関谷冬華 訳/ 井田仁康 日本語版監修
こんな本が 図書館にあるのかな?と 半信半疑で 図書検索したら…あるじゃないの、あるじゃないの!! と 即 ポチっと予約。
すごく素敵な装丁で ハードカバーの名前にふさわしい表紙、 256ページ カラーのページも多く B5 版より少し幅広。 重たい!! 990グラム 約1キロあります これは 電車の中で読む本じゃないですね~^^;
本のお値段も2700円と高めですけど これでも良心的だと思いました^^
さて~ 内容ですが
誰が書き込んだのか地図や海図に有りもしない島が書き込まれて 大航海時代(だけではないけれど)冒険家が島を探しに航海に出たようです。
そんな ありもしない島と それを探しに出かけた人たちの例が沢山紹介されています。
大西洋に浮かぶ 長方形の島。 定規を当てて書いたような そんな島、あるはずない!と思うのですが 当時の人は 島の存在とともに その地には 不思議な動植物があるとか アマゾネスが住んでいるとか 金がザクザクある…という 噂を信じて時には船団を組んでまで探しにいったようです。
中でも興味深かったのは クロッカー島 陰惨な悲劇を招いた北極の島 の項。
アメリカの探検家・ピアリーは北極点到達をなし得たはじめての人物ですが その 北極探検に出資してくれた銀行家 ジョージ・クロッカーの名前を ありもしない島をでっちあげて クロッカー島と命名。
資金援助のために 島は作られたのでした。
なんと この探検に この本の出版社 NATIONAL GEOGRAPHIC社も1枚かんでたようですw
フォルモサ サルナマザールというホラ吹き男がでっちあげた架空の島。 自身の出身地フォルモサについて 人肉を食べ 複婚制の国だと センセーショナルな話で講演に呼ばれて 生活していました。 当時のロンドンの人は 信じていたのです。 ペテン師の嘘を。
当時の人は未知の物にロマンを感じたのでしょうか?
ベルメハ島 メキシコ湾に現れたり消えたりする島、 すなわち…地図に載っていたり 消されたりしている島です。
海洋法で「ドーナツの穴」と呼ばれる海域があるそうです。 排他的経済水域の境界線が隣国との間で折り合わない場合に。
ベルメハ島があることで メキシコの排他的経済水域は広がり 石油採掘権を主張できるのです…が、実際には見つけられなかったようです。
島は 宗教的 経済的 いろんな理由で でっち上げられていたのです。
中には 地図製作中に 「私にも一つ 島をちょうだい」と言う妻の一言で 島が書き加えられた、という件もあります。 ふざけてますね。
当時の船の乗組員が 早く陸に上がりたい一心で 実在しない島が見えたり(精神的なもの) 実際にはあるように見える 気象現象など 現代なら あるのか無いのかはっきりと分かることでも 当時の人達には 謎であり それを探すロマンがあったんですね。
今は Google Earthがある便利な世の中ですから、 ここに島なんてないよ、と家に居ながらにして わかるのですが。
興味深い1冊でした。