happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

感動!!「土佐堀川-廣岡浅子の生涯」

お久しぶりの読書ネタです!!

このごろ 読んでも 感想を文章にするのが面倒くさく、
ブクログも放置状態ですが…

この度読んだ「土佐堀川 広岡浅子の生涯」が
面白く 元気が出る作品だったので
自分用の記録の意味でも 記事にしておくことにしました。

ご存知 昨秋から今春にかけて放送されたNHK朝ドラ
「あさが来た」の原作本です。

                    

            土佐堀川


ドラマとは違って 史実に忠実に書かれています。

ドラマでは、姉・はつ(宮﨑あおい)が婚家で苦労する話も
見どころのひとつでしたが
実際の姉・春は 嫁いだものの、早くに亡くなっているようです。

幕末から始まるこの物語は
近代日本の黎明期を経済面から見た作品として
とても面白く

女性が走っても お転婆といわれ、 お行儀重視で
男尊女卑の時代に
ピストルを懐に忍ばせて
男性が褌一丁で石炭を掘り出す炭鉱へ 単身乗り込み、
親方衆と直談判します。
現代でも すごい!と思うような行動は、
当時、どれほどのオドロキの目で見られていたことでしょうか!

コレほどの女性がいたことを、何故今まで知らないで過ごしてきたのか。
もっと、もっと その人生を大きく取り上げてもいい
女傑、と呼ぶにふさわしい人物です。

この作品読んだら、映像化したくなるのも わかります!!

おぉ、ちょっと熱くなってきました。^^;

浅子の座右の銘は、七転び八起きならぬ
九転十起なんです。

多少のことにはへこたれない。
逆境になれば かえって闘志に火がつく性格のようです^^;

失敗も一度や二度なら まだまだ!
九転のうちのまだ2回しか転んでへん!と
ものすごいポジティブなんです。

見習いたいです。

廣岡浅子の生涯に どれほど山あり谷ありか
この小説の山場は?


先んずれば人を制すとばかりに
早々と炭鉱を買い、
夫ではなく、自分が乗り込んで (女だてらに)
旧弊甚だしい炭鉱のやり方をすっかり変えてしまった。
軌道にのった矢先 坑内の火事で死者を出してしまい
保障と再建に追われました。

そして 女子教育の必要性を説き
大学設立に奔走します。

恨みを買う男に襲われ脇腹をえぐられる惨事にも、
入院中に、自分の身に起きたことから、生命保険の重要性を見出します。
ベッドの上でも 事業の事が頭から離れず
転んでもただでは起き上がらないところがスゴイです。

炭鉱買い取り、女子大設立、大同生命設立

この3つの事業以外にも
大恐慌を乗り切ったり 紡績工場設立(夫がメイン) 銀行設立、と
多くの事業を手がけています。

それもこれも 夫である信五郎がよき理解者であり
夫の信頼なくして また 潤沢な資産なくしてありえなかった生涯です。

御寮はん、負けたことのない人生て面白うないのやないか。
勝ってばかりいたら、人の心がわからんようになる。
神様がくれた試練や思うて、今は我慢せなあかん。
」 (本文より)

信五郎は、時として、勝ち気な浅子にこんな助言をくれるのでした。
かっこいいなぁ~

東京の鹿鳴館での夜会の話は解せぬ浅子。
生活はすべて男性に頼り、贅沢な衣装や宝石で身を飾り
深夜まで踊り狂うのが新しい女性の生き方なのだろうか。
勉学をし、しっかりと働き世の趨勢を見極めていく。
それが真の女性の自立というものではないのだろうか
」 (本文より)

飛行機も新幹線もタクシーも無い時代に
九州だ、東京だと フットワークも軽く 動き回っていた浅子。
パワフルです!

ちょっと話はずれますが 我が敬愛するモーツァルトは (かなり飛躍
幼い頃から 各地に演奏旅行に行き
日々旅にして 旅を棲み家とす、という松尾芭蕉みたいな暮らしで
馬車で移動の日々だったそうです。 
それが体に悪影響を及ぼしたとも言われています。

当時の移動というのは ものすごい負担だったと思うのですが
本当にバイタリティがありますよね!!

この小説に出て来る人物は
伊藤博文や 渋沢栄一、岩崎弥太郎などの政財界人
婦人運動の騎手 市川房枝 赤毛のアンの翻訳者 村岡花子など
歴史の教科書に出てきた著名人が多数登場。
そういう時代の中心にいた人たちと交流があったこともスゴイです。

幕末から維新は 映画、ドラマ、小説などで取り上げられることが多いですが
殆どが 政治的なこと。

今まで 鳥羽伏見の戦い等 長引く戦争の資金を誰が出しているかなど
考えたこともありませんでした。

今回それは 豪商(江戸時代の財閥)が 度重なる出資要請に、
お金をかき集めて貸していたのだと知りました。

表舞台の「政治」を経済面で支えていた財閥のこと。
炭鉱の暮らしぶり。
今まで知らなかったことがたくさん描かれてて
目からウロコでした。

浅子の商才はご先祖譲り、と幼い頃から言われて育ち
それも 浅子の人物形成に影響があったのだと思います。

浅子がエライなと思うのは 私利私欲に走らず
自分が儲けたものを独り占めせず分配しようとするところです。

銀行設立の心得などを聞きに渋沢栄一の元を訪れた時
お金はひとりでは動きません。それを動かすのは人間です。
金を預かる経営者への信頼が絶対にものを言う世界なのですよ


浅子は 目の前の事にとらわれていた自分を恥じたのでした。

商売のベースは信頼ですよね~♪
いや、お商売にかぎらず、世の中信頼が大事ですね!

さらに 将来の為に今できることを考える浅子。
常に現状に満足せず 改善点を見出すのでした。

次代の女性は教育をつけて活躍すべきという発想が
女子大学設立へと導いたのですね。
一人の人間として 男性であろうが女性であろうが
才能のある人は その才能を社会に役立てるべきですよね。

今世界で宗教上の理由により 女性が蔑視されていたり
行動が制限されている現状は、なんとかならないものか、と思います。



若い頃 まさにこの土佐堀川と堂島川に挟まれた中洲の
中之島にある会社に努めていたので

小説の冒頭に出てくる 
渡辺橋から大江橋までは私の庭みたいなところなんです!

大江橋南詰には 日銀と大阪市役所。
今年6月にお友達とランチに行った帰りに写真を撮りました。

肥後橋南詰の角の大同生命ビルは 昔は石造りの建物で
中に入っていたお店に お昼休みにコーヒーを飲みに行ったことも。


このあたりに浅子が嫁いだ広岡商店の米蔵があったんですね~

想像してみるのも楽しいです。

広岡浅子語録という本が出ています。
人生を生き抜くヒントがいっぱいつまった本かもしれません。
機会があれば読んでみたいです。