瀧羽麻子さん、初めて読む作家さんですが、温かくてほっこりする作品
『ありえないほどうるさいオルゴール店』が1作目で、『もどかしいほど静かなオルゴール店』は2作目です。
またまた、2作目から読んでしまいました。
Amazon★4.3 ★5=63%
あなたの心で鳴っている音に、あなたは、きっと気づいていない――。
”人の心に流れる音楽が聴こえる”という風変わりな店主が、南の島の小さな店で、お待ちしています。
発売前から書店員絶賛!の感動の物語。「耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめします」
ここは、お客様の心に流れる曲を、世界でたったひとつのオルゴールに仕立ててくれる、不思議なお店。
”小さな箱”に入っているのは、大好きな曲と、大切な記憶……。北の小さな町にあった『ありえないほどうるさいオルゴール店』が、最果ての南の島で、リニューアルオープンしました!
今回も、7つの物語が奏でる美しいメロディーに載せて、やさしい涙をお届けします。引用元:幻冬舎HP
カナンタ
バカンス
ゆびきり
ハミング
ほしぞら
からっぽ
みちづれ
…の7作が収められています。
ほっこり、心温まるお話ばかり。
これは、ぜひとも『ありえないほどうるさいオルゴール店』も読まなくては!
備忘録的に、さっくり概要書き留めておきます
時間が経つと、読んだけど、あれ?どんなお話だったっけ?ってなるので、後から思い出せるように、ほんの少し内容を書き留めます。
舞台は沖縄本島から高速艇で行く南の孤島。
その島にやってきたオルゴール店の店主は、人の心に流れる音楽を聴けるといいます、そしてそれをオルゴールにすることも…
カナンタ
島の郵便配達の祐生(ゆうせい)は、幼馴染の那奈美が好きだった…
高校進学とともに島から出て、それぞれの道を歩んだ二人。
島に戻った祐生は、恋人と別れて戻ってきた那奈美に、結婚式で歌う島唄・カナンタの曲をオルゴールにしてプレゼントする。
バカンス
夫から別れを切り出された理央は、会社を休んで妹の住む南の島に心の洗濯をしに行く。
夫の大好きなアーティストのコンサート、次第に一緒に行くのが苦痛になり仕事を理由に避けていたら・・・好きな人ができた、別れたいという。
カッとなって家を飛び出したものの、島に来て、夫の気持ちに寄り添ってなかったことに気づいて、お土産にそのアーティストの曲のオルゴールを買って帰るのでした。
ゆびきり
颯太の向かいの家に同い年の女の子・ユリが泊まっています。
親は忙しく、海外にいくから、と娘を預けにきたのでした。
ユリが島を発つ前日、ふたりでオルゴールを作りにいきました。
それぞれ、箱に飾り付けをして、のりが乾くまでお店に預かってもらって…
いよいよ出発の日、オルゴールは、ユリのものが残されていて、颯太の作ったのをユリが持って帰っていました。
店主が言うには、「交換することにしたんですよね?」と。
そうすれば、次に会うまで忘れずにいられるから、と…
ハミング
北欧の国から来たハンナは、島出身の夫と島へやってきた。
家の前で具合が悪くなってうずくまっていると、オルゴール店の店主が縁側まで連れて行ってくれ、様子を見てくれてました
彼のハミングは、ハンナの生まれ故郷を思い出させるメロディーで…
その人は、ハンナの心から、そのメロディーを聞きだしていたのでした。
ほしぞら
リストラされそうな中年男・幸宏は古いマッチ箱に書かれた情報を頼りに、島にやってきます。
会いたかったのは、学生時代古アパートで一緒に過ごした八重山エイト。
バンドデビューし一世を風靡したものの薬物で捕まってから音沙汰知れず。
今は島の子どもにギターを教えているが…栄人の中にまだ創作の意欲がある…
そんな友に勇気づけられた幸宏
からっぽ
島の神様のお世話をし、祭りでは歌を歌って、神の声を島の人達に届けるババ様。
ババ様には、神の歌が流れている。
偶然、幼い女の子とその父親にであったことから、ババ様にも幼い女の子がいた事が語られます。
格式の高い家のお坊っちゃまと結婚したがため、男の子を産めなかったババ様(千代)は自ら婚家を辞し島へやってきたのでした。
心の声を読むというオルゴール店の店主は、ババ様からは何言も聞こえない、といいます。
それは、ババ様には思い出もなにもない空っぽだから…
みちづれ
咲耶の兄は聾、耳が聞こえない。
二人は春休みに島にやってきました、兄はどうしてもあのオルゴール店に行きたくて。
兄は、昔、オルゴールを作ってもらっていました。
耳は聞こえないが、オルゴール店の店主に心に流れる曲を聴いてもらって 母はオルゴールを作ってくれたのです。
今度は妹の咲耶のを作ってもらうと…兄とおなじメロディーを奏でました。
二人の心に流れるメロディーは、かつて母が歌ってくれた子守唄だったのです…
オルゴール、といえば小樽、だけれど
実は店主さん、以前北の町にいたようなのです。
小樽かな?と思って読み始めたら南の島でびっくりしましたが、
『ありえないほどうるさいオルゴール店』では、小樽のオルゴール店だったようです。
素敵な作品なので、第一作目の方も読んでみたくなりました。