スーパータイフーンが列島を通過中ですが
いかがお過ごしでしょうか?
今日はヅカブログ友達とランチの予定を
急遽キャンセルして おうちでのそのそしておりました。
ここんとこ ヅカネタ連投!!!
今日は、箸休め的?記事を。
2014年 本屋大賞第8位
いとうせいこう著 想像ラジオを読みました。
読み始め、状況を理解できず orz
明るい調子で語るDJアークはどうやら
高い木のてっぺんに 仰向けにひっかかっている男性。
それでDJを続けているのだけれど
機材が無いのに、え??
リスナーから電話やメールが届くってどういうこと?
と、謎だらけ。
問わず語りに、自分の過去を語り
その時の気分にあった曲を流します。
どんな曲?って、検索してYouTubeで再生したくなります。
(結局できずじまいで 図書館へ返却)
DJアークは、樹上で、妻の安否を気遣っていて、
自分の声が届いたら連絡して欲しい、と語りかけます。
リスナーからは、アークの声ならぬ声を聞き取り
メッセージを送ってきます。
第二章では、震災ボランティア帰りの男たちの
車中での会話。
ボランティアと被災者との距離のとり方。
ボランティアはどこまで立ち入るべきなのか。
男たちは、喧々諤々 意見を戦わせるのでした。
すごく考えさせられるチャプターでした。
ひとことも、東日本大震災につながるキーワードは出てこないけど
本文からわかるのは、寒い地方で起きたこと、
津波の被害があったこと・・・そうして私達読者は
あの東日本大震災にまつわるお話なんだと合点がいきます。
想像ラジオのリスナーは、
DJアークと同じく、鬼籍に入った人たち。
どうやらDJアークの放送は 死者にしか聞こえないようです。
亡くなった人たちの思いがリスナーの声として紹介されています。
第三章での
亡くなった女性が 存命中の男性との会話が興味深いです。
これも「想像」での「会話」なのか?
男性が言います。
「生者と死者は持ちつ持たれつなんだよ。 中略 どちらかだけが
あるんじゃなくて ふたつでひとつなんだ」
「生きている僕は亡くなった君のことをしじゅう思いながら人生を送っていくし、
亡くなっている君は生きている僕からの呼びかけをもとに存在して
僕を通して考える。そして一緒に未来を作る。」
突然、地震や津波によって
不本意にも命を落とされた方たちの思いを「想像」して
これから先の明るい未来へとつなげられたらいいな、と思いました。
2011年3月11日 あの日観たテレビの報道映像は
強くまぶたに焼き付いて 一生忘れられないでしょう。
今まで目にしたこともない光景に、
あまりの惨状に、日本全体が震撼しました。
今思い出しても 胸がつまります。
直後は、遠く離れた神戸で、何不自由無く暮らしている事が申し訳なく
たのしい話題をブログにUPすることさえためらわれました。
地震の第一報より後にわかった被害の大きさに
言葉も なすすべもなく
私には 少しの寄付と祈ることしか出来ませんでした。
あれから3年。
少しずつ復興は進んでいますが 未だに問題は山積していますね。
被災者の方々の目に見えない
心の復興が完了するのはいつのことでしょうか。
「想像ラジオ」をとおして 亡くなられた方の思いを「想像する」ことで
鎮魂になればいいのですが。