⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

伊吹有喜著「カンパニー」読了

今年の5月に上梓され 翌月の6月末には もう宝塚での上演が発表された

伊吹有喜著 カンパニー

 

先程 読み終わりました。

 

      カンパニー

      

 

涙、涙の大感動~~~!

 

伊吹有喜ファンは 舞台予想を常とする 宝塚ファンの心理を

ご理解いただけないと思うので 閲覧ご遠慮ください。

 

 

 

 

宝塚歌劇HPに先行画像も出ましたね。

 

   → 『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』

 

ちゃぴ(愛希れいか)がチュチュを着ている、ってことは…美波役なのね。

実力は素晴らしく 数々の賞を受けて留学したのに

肝心のところで採用されず 失意の帰国。

でも 美波にも 起死回生のラストが用意されていて…

 

 

 

作品は 小説新潮に2015年4月から 2016年7月まで連載されていたようです。

石田先生(宝塚歌劇団)は 早くからこの作品をご存知だったのですね。

 

もう 劇団の裏ネタ満載ですからね!

宝塚あるあるですっ!

 

本の帯には

「合併、社名変更、グローバル化。老舗製薬会社の改革路線から取り残された47歳の総務課長・青柳と、

選手に電撃引退された若手トレーナーの由衣。

二人に下された業務命令は、世界的プリンシパル・高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させること。

主役交代、高野の叛乱、売れ残ったチケット。

数々の困難を乗り越えて、本当に幕は開くのか―?人生を取り戻す情熱と再生の物語。」

 

 

リストラの危機に瀕した 青柳誠一(舞台では 誠二w)がバレエ団に出向することになったが

起死回生の働きで 新しい人生の扉を開ける話。

 

人生をオセロに例え ほとんど黒くても 角にひとつ白を打ったところから形勢が変わるように

ひとかけらの勇気で 人生のオセロ板に白いコマを打ってみたら

ガラリと人生の風景が変わることもある、という例え話に 勇気をもらいました。

 

 

プリンシパルは 社のポスターにも登場しているイメージキャラクター

世界的バレエダンサー 高野悠。

 

 

有明製薬の社長令嬢が所属する 

敷島バレエ団で高野悠が客演することになったのでした。

 

慣れないバレエ団での仕事に奔走する青柳を通して

バレエ団、劇団の様子や 興行戦略がわかり 興味深かったです。

 

同じ有明製薬所属の マラソンランナーについていたトレーナー瀬川も

ランナー突然の引退で 職を失い 高野のボディケアを担当することに。

指先で筋肉や筋の違和感を探り 直していくトレーナーの仕事も

詳しく描かれていて読まされました。

 

また、正統なバレエダンサーだけでなく

エグザイル風? 知名度が高く人気のダンス&ボーカルユニットの

二軍の若者も入れて…いろいろ想像を掻き立てられて

あっという間にページが進みます。

 

フラッシュモブのシーンでは 登場人物たちがいきいきと動いていて

胸熱でした! ウルウル…

 

 

バレエは第三幕にアクシデントが起き 皆がギリギリの精神状態で

それぞれ葛藤するところは 緊迫のシーンですが

 

作者の紡ぎ出す素敵な文章が 心の琴線に触れて

胸に熱いものがこみ上げてきます。

 

 

生きる勇気が湧いてくる一冊、オススメです!!!

 

 

 

 

98~99ページ

*日本のバレエ団はお稽古事の延長という形だから 団費をお月謝の感覚で収める。

公演は発表会と考えるとチケットのノルマが有るのも仕方ない。

ノルマ以上にチケットを売ってカンパニーに貢献できたら良い役が付きます。

 

*実力があっても金がなければ良い役は踊れない? ある程度の金を納めれば

いい役を踊れるというのは どこでもそう。

 

*お金も才能のひとつです。

 

199ページ

 *SNSを利用して公園の感心を高めるために バレエ団のフェイスブックに

練習風景の動画を定期的に公開することが決まった。

 

218ページ

 

*ウェルネスバレエ ハロウィンコンテスト開催

 

244~248ページ

 

*新宿アルタ前 フラッシュモブ 敢行!

 

 

 

やっぱり 役はお金で買うんだったのね。で納得できました。

 

そして 戦略的に動画をSNSに流しているのも もう既にやってますよね♪

 

いろいろと小さなネタも おもしろくて バレリーナはこんなことやってるのね、って

ありありと目に浮かび楽しかったです!!

 

ヨーロッパに留学していると 現地で イエローとか 猿がなぜバレエを踊る??など言われ 差別もあるようです。

技術的に素晴らしくても、いや 素晴らしいからこその妬みからの発言かな?

 

でも 嫉妬や意地悪が当たり前だから それに音を上げるようなら

最初からこの世界に入るな、とも… 

この世界では、メンタル強くないと生きていけませんね。

 

 

「カンパニー」には 白鳥の湖のいろんなシーンが細かく描写されているので

本当の白鳥の湖を観たくなりました。