happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

角田光代著「森に眠る魚」 読了

新聞の読書欄で見つけて読んでみたいと思いました。

なぜ興味を持ったのかというと、
以前 東京の文京区の幼稚園仲間のお母さん同士の
気持の行き違いから 幼い女の子が仲間のお母さんに殺されたと言う事件を
想起させる紹介だったからです。

幼稚園児や幼児を持つ、性格や生活レベルも違う5人の女性が
幼稚園入園から親しくなり 私立・国立の小学校受験をすることになって
仲がぎくしゃくしていく様が描かれていて すごく面白かったです!

若い人が読んでもあまりピンとこないかもしれないけど
私達 子育て経験者が読むと うなづけるというか 
あるある、そう言うこと! というシーンがリアルに描かれて共感!

お受験に向かって仲間内で 腹の探り合いがあったり
他の誰かの生活に羨望したり、やっかんだり
受験関係なくても 複数集まれば 多かれ少なかれ気が合う、合わないもあるし
疑心暗鬼になったり 思い込みが激しい人もいる。
互いに腹の中をさぐりあうような 緊迫した人間関係。

彼女たちの心の襞が丁寧に描かれていて 5人の揺れ動く 心理描写が巧みです!

誰にでもある ちょっとした悪意、
誰かを疎んじたり 仲間外れにしようとする気持ち、
相手の不幸を願ったり 自分が優位にたとうとしたりする気持ちなど
ドキッとするような 一瞬をいろんな場面の中から切り取って
見せつけられます ドキッとします。


小さなころから 塾へ通わせることの賛否両論や
あえて、小学校から 私立・国立に受験までして行かせる事の是非なども
盛りこまれ、自分の知人の お受験を垣間見てきた私には
フィクションの世界だとは言え 
どこかでありそうなホントの話にも思えたのでした

転勤族の我が家には お受験なんて考えられなかったけど
お受験による弊害も いろいろ聞きますし、
お受験商戦もヒートアップしてるから 子供と親の二人三脚での
お受験レースに熱をあげる方も多いのでしょう。

公園デビューという言葉ができたくらい
デビューがうまくいくかどうか 悩める母親・・・。

幼児のお母さんたちも いろいろと気を揉むことも多いです。
特に子供はうまくしゃべれないから トラブルがあったときに
上手に解決しないと 大人同士の問題にも発展しかねませんが、
いろいろ 深く考え過ぎると 子供を産み 育てることに臆病になるし 億劫になります。

今 小さな子供を育ててる人 これから産む人は
自分が社会的、倫理的に間違ったことしてなくて 
自分が責任を取れる範囲で 自分が信念を持ってやってれば 
誰がなんと言おうと 平気だよ、くらいの自信と余裕を持って子育てして欲しいなと思います。

他人の生活や 他人の子供と比べるんじゃなくて・・・
自分が 家族が 一番幸せな道を模索するのがベストなんだと思ってます。

先が気になってすぐ読めましたが いろいろと考えさせられる本でした。
心に残りそうです。


次はいよいよ お待ちかね、湊かなえさんの「告白」を読みます。
本屋大賞1位だから、楽しみです^^