新聞に売れてるみたいに出てたので読んでみました
戦後の焼け野が原から 高度経済成長を経て バブルの絶頂期を味わった日本。
その後 バブルがはじけ、お祭り気分が夢と消えたあの時代から
最近のリーマンショック・・・ 長い下り坂・・・そして3.11.。
誰もが、今 下山の途中にあることに気づいています。
そんな今、わざわざ「下山の思想」というタイトルを付けたのは
なにか、著者なりの切り口で 新しい視点に立って語られるのだ、と
期待を持って、この本を手に取りました。
結果、ガックリ
「今 下山の時代に」と題された章は
今までとは違う視点で生きていかねばならないという
作者の提言が書かれています。
ここまで、「まずはじめに」、も入れて約50ページ
この本の肝は これだけ。
この後の「下山する人々」以降「死と病を考える」
「大震災のあとで」「ノスタルジーのすすめ」等は、
本のタイトルとはかけ離れた
著者の北朝鮮から引き揚げ時の思い出話、
戦後の、自身の靴への思いなど テーマがバラバラ
仏教(親鸞)に造詣が深いらしく 薀蓄を傾けておられますが
下山の思想と関係あるんでしょうか?
「この新書の中に収められた文章は一貫して下山の視点から書かれている。」
と おわりに書いておられますが・・・そーなんですか?
はじめに、の部分で大震災について触れておられたので
未曾有の大震災を経験したことにより、何か文章を書こうと
思い立たれたのでしょう。
けれど、震災が、そのジャーナリスト魂に火をつけたかもしれないけれど、
本の内容に一貫性を見出せませんでした。
311の後、先の見えない日本の将来に多くの国民が暗澹たる気分になりました。
「下山の思想」で どのように 閉塞した時代を生きていくのか・・・?
そんなサジェスチョンが綴られているのだろうと思ったけど
あまり 私の心には届いてこなかった。
う~ん・・・楽天ブックスの評価は★が多いね、売るためか?
中には感動!してる人も、
どこをどうやって読んだら感動できるのか教えて欲しいわ。
感受性が強いんだね、羨ましい。