三浦しをん著 「神去なあなあ日常」を読みました。
三浦しをんさんの著書「舟を編む」の感想をUPした時
友人が、同じく三浦しをんの著作でお勧めの本がある、
と教えてくれました。
カムサリナーナーニチジョー。
は? カムサリナーナー?? 何ですかっ、それは?
神去(かむさり)村での、なあなあな日常の話だとか。
分かったような 分からんような。
2010年本屋大賞4位の作品
とても読みやすい ハートウォーミングなお話です。
ネタばれ あります
主人公・俺=平野勇気は 高校を出たばかりの18歳
母ちゃんと担任の熊やんの陰謀で
三重と奈良の県境の山深い村へ林業の研修生に出されたのだった。
その村での1年間の出来事を 俺目線で語ったお話です。
俺が、横浜から 携帯も通じないような山奥へ
希望もしないのに 林業研修生に出され
いやいやながら 林業に励むうちに
温かい村人との交流を通して
村の人たちに認められるようになっていく・・・
都会の生活でなくしてしまった大事なものが
まだまだ神去村に残っていて
きれいな自然の描写を読むと
どこか山の方に出かけたい気持ちにかられます♪
不便なことも多い田舎暮らしだけれど
それだからこそ 残された人間らしい生活。
河童や神隠しも健在です
ちょっぴり羨ましくなります。
(実際 生活は大変そうですが)
なあなあという方言は、三浦しをんさんが作った神去弁で
ゆっくり行こう とか まぁ落ち着け、といった意味です。
村人たちは なにかとこの「なあなあ」を使います。
三浦しをんさんのおじいさんが
三重県津市美杉町のご出身だとかで、ここが
神去村のモデルのようです。
(本文中にも松阪駅から出る支線の終点から車で行く、と書かれています)
じつにのんびりとした風情なのは、
「100年単位でサイクルする林業をやってる人が多い」
あくせくしたって木は育たない、という姿勢だからなのですね♪
林業とは 実際どのようなことをされているのか、
考えたこともなかったのですが
山でのさまざまな仕事が
細かく書き記されていて 興味深いです。
俺を取り巻く人間関係が温かく
キャラクターの個性が際立っていて面白いです。
勇気は、山火事や村の神事(祭)を通して
村の人たちに認められていきます・・・。
俺口調だし
若者言葉が随所に出てきて軽~く読めました
読後にじわーっと温かい気持ちになれる1冊です!