2024年に読んだ本、4冊目は、川口俊和著『やさしさを忘れぬうちに』。
シリーズ累計370万部突破!
「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』のシリーズ本、第5弾。
Amazon★4.5 ★5=70%
- 『コーヒーが冷めないうちに』
- 『この嘘がばれないうちに』
- 『思い出が消えないうちに』
- 『さよならも言えないうちに』
- 『やさしさを忘れぬうちに』
5冊が刊行されていて、各4話ずつ収められています。
そして、このシリーズ、
2023年7月時点で37言語で刊行、2023年9月時点で累計370万部突破!!(コーヒーが冷めないうちに Wikipediaより)
世界中で大人気!
心温まる4話、それぞれ悔いを遺して生きている人たち
あの時、ちゃんと伝えればよかった、
あの時、ああすればよかった、こうすればよかった…という小さな後悔
誰しもひとつぐらいは持っているのでは?
そんな後悔を払拭しに、過去に戻れるお店があったとしたら…
あなたは行きたいと思いますか?
ここには、過去に戻った4人のお話が収められています。
⚠ ネタバレあります、未読の方はご注意ください
第一話 離婚した両親に会いに行く少年の話
桐山少年=ユウキの両親は、こともあろうかクリスマスに我が子に離婚することを伝えました。
父・健二、母・葵 それぞれに別の人といるときのほうが笑顔で幸せそう。
二人が離婚することを聞いて泣いてしまったクリスマスを後悔しています。
お父さんとお母さんは別れて幸せになったからあれでよかったのに。
そんな思いを伝えに、あのクリスマスの日に戻るユウキ。
健気なユウキの思いに打たれます。
今は祖父・守田と二人で幸せに暮らしていますが…
祖父が亡くなったあとのことを考えるとちょっと切ないわ。
第二話 名前のない子供を抱いた女の話
桜 恵は生まれて間もない赤ちゃんを抱いて「フニクリ・フニクラ」を訪れました。
夫・隆二は恵が妊娠中に 喧嘩の仲裁して頸動脈切られ出血多量で死亡。
子供にどんな名前を付けるか話ていなかったけれど、出生届の提出は明日まで。
夫に命名してもらいたくて、夫に会いに行く恵。
男の子でも女の子でも使える、と考えていた「優」を命名してもらいます。
第三話 結婚を許してやれなかった父親の話
父が結婚を反対するのを押し切って結婚・出産した洋子。
実家とは疎遠になったものの、母とはこっそり会っていました。
離婚して、結婚詐欺に会って、お金も住む場所もない状態。
父の反対を押し切ったから罰が当たったのだ…と思っていました。
父は、洋子の結婚を反対したことをずっと後悔していて、洋子に会いたい、と
「4年後の未来」へ会いに行きました、4年後には父はもう亡くなっているから…
第四話 バレンタインチョコを渡せなかった女の話
高校時代のつむぎと彩女(あやめ)の話。
つむぎの高校時代の友人・彩女は、クラスの中心にいて、才女でありながらスポーツもできて明るくて…皆が一目置くタイプでした。
つむぎが好きになる男子は必ず、その隣りにいる彩女に心が動いてしまうようです。
それが面白くないつむぎ。
大学進学は東大に受かることもできる成績だった彩女は、つむぎと一緒にいたいから、と同じ大学に進学しますが、ここでもやはり、男子学生の目は彩女に注がれるので、やがて疎遠になっていきます
大学卒業後のある日参加した高校の同窓会で
彩女が亡くなったことを、彩女がいかにつむぎのことを想っていたのか、を知ることになります。
小さな嫉妬から彼女からの連絡を無視していたつむぎの後悔…
4つの中で読んだ方の多くが一番泣けた、とおっしゃる第4話。
失われた時間は取り戻せない、自分が間違っていた…そんな後悔がつむぎをフニクリ・フニクラへと向かわせました。
ずしんと来るストーリーでした。
最後はみんな、思いを果たせて良かったね、と読後感爽快♪
後悔を払拭しに過去に行ける喫茶店、それが「フニクリフニクラ」
誰でも過去で会いたい人に会えるわけではなく、また厳しいルールも存在します
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない者には会うことができない
2.過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない
3.その席には常に白いワンピースを着た女が座っている
4.その席に座れるのはその女が席を立った時だけ
5.過去に戻っても、席を立って移動はできない
制限時間はカップにコーヒーを注いでから、そのコーヒーが冷めるまでの間だけ
特別な席に座ってコーヒーを注いでもらった途端、過去にタイムスリップできるのです
が、特別な席にはいつも白いドレスの女性が座っていて、席を立ったすきに座るしかないのです。
そのタイミングは、白いドレスの女性がトイレに立つ時!!!
白いドレスの女性は幽霊なんですって。
え〜〜〜〜!?
幽霊がトイレ行く??
そこゴックンできなくて…😓
大絶賛には至らずでしたが、ほっこりするいいお話でした。