happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

マスカレード・ホテル 2度目読了

「マスカレード・ホテル」読み直し! 

来年1月に 宝塚歌劇花組で、瀬戸かずや主演で上演されることになった「マスカレード・ホテル

以前、 2012年2月に読んだのですが 大筋しか覚えてなかったので 改めて読み直してみました。

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 著者の東野圭吾さんは人気の作家さんなので 2014年に発刊された文庫本もかなりくたびれてました。

あらすじと感想

ネタバレありますので 筋や詳細をしりたくない方はここから先閲覧ご遠慮ください。

 

 

主人公・山岸尚美は 東京の高級ホテル コルテシア東京のフロントクラーク。

ある日上司に呼ばれて 会議室に行ってみると…

連続殺人事件の第4の殺人が コルテシア東京で起きる可能性が高い、警察に協力することになった、と告げられます。

警察から何人かが ベルボーイやハウスキーパーや 客に紛争してホテルマンに紛れ込んで監視するという。

その中で フロントを担当することになったのが新田警部補。

 

まず姿勢と歩き方の訓練から始まり、

人を見たら泥棒と思え式で 宿泊客の顔をジロジロと睨むので 目つきが悪いと指摘され、

客ではなく お客様、俺ではなく わたくし、と言うように度々訂正されます。

 

テルマンはお客様がルールブック、お客様が気持ちよく過ごせるように、と心を尽くしますが…

警察官は まずなにか隠してないか 悪さをしないかと疑いの目を光らせています。

 

上得意客の訴えにも「お客様だけ特別扱いするわけにはいかないんです。いい大人なんだから それぐらいのことはわかるでしょう。」と言ってしまいます ^^;

 

「客だからルールを無視していいってことには…」そこで 山岸が対応をサポートしに来る、と言った具合w

 

正義感は強いが、上から目線な新田が お客様のわがままな要望にもにこやかに応える山岸を見て だんだん尊敬の念が芽生え、

新田もまた ホテルでの小さな「事件」を経験する内に 我慢することを覚えるのでした。

 

山岸は新田に 事件解決につながるヒントを与えたりして 信頼関係も生まれました。でもラブはなし。

 

新田のホテルマンとしての成長物語も面白く バラバラの殺人事件を連続殺人事件と見せかけるトリックの解明も読まされました。

 

登場する ホテルのお客様は一癖も二癖もある人物ばかり。それだけに 新田の鋭い目が光って、ホテルマンらしくないのが面白いです。

 

態度がでかいというか 高飛車というかw これっぽっちも「お客様」と思ってない不遜な態度で笑わせます。本人大真面目なんでしょうけど。

 

新田の教育係の山岸のナイスフォローに助けられることばかりです。

無理難題を押し付けてくる客の要望にも 理不尽、と思えても客の要望を叶えることが仕事、と割り切って最後には怒った客を笑顔にしてしまうぐらいの素晴らしいホスピタリティを見せます。

 

推理小説の体を取ってますが 新田刑事の成長物語です。

 

警察がホテルに潜入捜査を主軸に 新田は自分の抱えている事件の捜査の進捗状況もあり なかなかスリリングです。こちらは 新田と風采が上がらないが 実は切れ者の能勢とのドラマも並行して描かれています。

 

いろいろな新田とホテルの複数の話しが絡まり合いながら ゴールへ向かって収束していくのは 東野圭吾さん、流石です。

 

ここ重要なネタバレ ↓

 

一連の事件を起こした要となる人物は なんと 過去に山岸が対応した客で 山岸の対応が彼女に恨みを持たせたのでした。よかれと思ってした対応が不幸な結果を招いて…

 

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