⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

【このミス大賞】新川帆立著「元彼の遺言状」読了

綾瀬はるか主演で現在放送中のドラマ「元彼の遺言状」の原作本です。

 

以前は、謎解き、犯人探しが面白く、ミステリー作品をよく読んでいましたが、最近は心がほっこり温かくなる小説を読むことが多くなりました。

 

Amazonなどで、よく見かける「元彼の遺言状」、話題になっているようなので、1月初旬に図書館に予約していました。

 

⚠ネタバレありますのでご注意ください。

 

元彼は、なぜ自分を殺した犯人に遺産を渡そうとしたのか?

主人公は、敏腕弁護士の剣持麗子。

これまたキョーレツなキャラです、キャラが立っていて、読む者に冒頭からガツンと食らわすのは作者のうまいところ。

冒頭から、婚約指輪のダイヤが小さすぎる、と婚約者に突き返すシーンから始まります。

いきなり気分悪いw

 

なぜ、主人公の元彼・森川栄治は「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺書を遺して亡くなったのか?

元彼は、殺される事を予期していたのか?
何故、殺人犯に自分の財産を譲るのか?

色んな謎の真相を知りたくて、ページを繰る手が止まらない!

 

面白いといえば面白いのだけれど…

麗子が、もつれた糸を解くように、ベールを一枚一枚剥がすように、真実に近づいていきます。

 

緻密に練り上げたプロットが読ませどころです。

法律の知識で論破する…と思ったら、著書は、東大卒の元弁護士だそうです。

納得。

 

登場人物も多く、それぞれ、腹に一物、諸事情持っているのでややこしいのですが、ストーリー展開が早すぎて…

金庫の解錠方法や、町弁の殺害方法はご都合主義な感じもして…

毒を塗ったタバコを加えただけで瞬時に死ぬものなのか、と疑問。

あまりにサクサク進みすぎ(読まされ)て、心に残るものがなかったな、ふむ。

 

もう少し、読者に、考えたり、推理する時間を与えてほしかったです。

ドラマというより映画にぴったりかも

現在、綾瀬はるか主演でドラマ放送中ですね、観てないのですが。

大切な遺書を保管していた金庫が亡くなった栄治の担当弁護士宅から盗まれて、その金庫の捜索が大掛かり。

川に投げ捨てられていることがわかったけれど、川べりにはヤクザが張っていて近づけない、ということで、ヘリコプター出動!

川面にホバリングして潜水夫を下ろして回収するという見せ場、映画なら目玉のシーンになりそうです。

ドラマでは、このようなお金のかかる場面は、割愛でしょうね…

 

剣持麗子にイラッとさせられた

普通に存在したら、鼻持ちならないような嫌な人、だと思います。

最近読んだ「ナイルパーチの女子会」の栄利子も大概でしたが、もっとキョーレツで感じ悪い^^;

 

お金第一主義なのはまだしも、人を馬鹿にしたような態度がイヤな感じ。

 

「私、失敗しないので」が決めゼリフで人気の「ドクターX~外科医・大門未知子~」の方がマシ。

かっこいいし、肝心なところでちゃんと人助けするから。

人の容姿や着ている服を馬鹿にしたりもしない…

 

小説の方も「剣持麗子シリーズ」、とシリーズ化されてるし、ドラマも続編あるかも…?

 

本の最終ページに

この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

作中に登場する法律論は、一部、誇張や省略を含みます。

実際の事件処理にあたっては、本書を参考にせず、適切に弁護士に相談してください。

「元彼の遺言状」ラストページ

 

笑っちゃいました^^